高知県のご紹介
歴史
高知県は豊かな自然と文化に彩られた土地であり、その歴史は1万年以上前に遡るとされています。
長い狩猟採取の時代を経て、稲作の伝来とともに大規模な集落が平野部を中心に展開。南国市は「土佐国」の中心地として、国衙や国分寺が置かれ、鎌倉時代には守護代細川氏が統治しました。
戦国時代、長宗我部元親が四国をほぼ平定。その後、江戸時代には山内一豊が土佐一国を治め、領主として高知城を築きました。
藩政期には現在に続く和紙や鰹節が「土佐の特産品」となり、幕末には坂本龍馬や中岡慎太郎、武市半平太(瑞山)などの志士が活躍し、日本の近代化の礎を築きました。
明治維新以降は、高知県は自由民権運動の中心となり、政治思想面で日本を牽引しました。三菱の創始者である岩崎弥太郎や植物学者である牧野富太郎など多くの偉人を輩出しています。
自然
北に険しい四国山地が連なり、南に雄大な太平洋が広がる高知県。東には室戸岬、西は足摺岬が太平洋に突き出し、延長約713kmに及ぶ海岸線を有します。そして、県土の約84%を森林が占める、まさに豊かな森林と青い海が広がる自然の宝庫です。「南国土佐」の愛称でも知られる通り、穏やかな気候が魅力ですが、1年を通して高温多湿で降水量が多いことも特徴です。
全国的に有名な清流・四万十川や仁淀川、雄大な太平洋、日本三 大カルストの一つである四国カルストなど、豊かな自然に恵まれています。そうしたこともあり、サーフィンやカヌー、ラフティング、釣りなど、多彩なアクティビティにおいて、全国屈指の名所がそろっています。
これらの自然や観光資源は、地域の人々の営みに深く関わっているとともに、高知県の観光の最大の魅力となっています。
産業
温暖で多雨多照の気候に恵まれ、森林面積日本一の高知県は、全国トップレベルの園芸王国としても知られています。ナス、ショウガ、ニラ、シシトウ、ユズなどの収穫量は日本一を誇り、 特にユズは、「KOCHI YUZU」のブランド名でヨーロッパなどに輸出され、世界的に広がりを見せています。
また、また、700kmを超える長い海岸線を有しており、沖合を北上する黒潮の恩恵を受けることから漁業も盛んです。特にカツオは古くから高知県民に愛され、「高知といえばカツオのタタキ」と言われるほどの名物です。これらのユズやカツオといった特産品は、地域の産業を支える重要な資源であるとともに、貴重な観光資源ともなっています。
さらに、伝統工芸においても、土佐和紙や土佐打刃物等があり、地域に根付く技術として伝えられています。
観光
東西に長い高知県には、各地域ごとに異なる魅力的な観光資源が数多く存在しています。
例えば東部には、大地が隆起し続ける、地殻変動の最前線「室戸ユネスコ世界ジオパーク」や、印象派の巨匠モネが愛したフランス・ジヴェルニーの庭を再現した北川村の「モネの庭マルモッタン」があります。中部には、雄大な太平洋を眺める坂本龍馬像がある「桂浜」や、毎週日曜日に開かれ、地元の人たちの生活市であり、常に土佐弁が飛び交う街路市「日曜市」が有名です。西部には、日本最後の清流と称される「四万十川」や、透明度の高い海を見るためにわざわざ観光客が訪れる「柏島」などがあります。
また、高知市は世界に広がる「よさこい祭り」の発祥の地でもあり、毎年8月には約2万人もの踊り子たちが街中で熱気あふれる演舞を披露しています。
そして、高知観光最大の魅力とも言えるのが「食」です。高知県では新鮮なカツオのたたきや豪快な皿鉢(さわち)料理、土佐あか牛や土佐ジローなど、海・山・川の幸を使った絶品グルメが豊富に揃っています。
文化財
高知県には、豊かな自然と文化に育まれた、数多くの文化財があります。
県中部には大豊町の
「豊楽寺薬師堂」や日高村の
「金銅荘環頭大刀拵/
大刀身」、高知市には
「古今和歌集巻廿
(高野切本)」の三件の国宝があり、
「高知城」などの重要文化財も数多く存在しています。
県東部には名勝に指定され、弘法大師の修行地として知られる
「室戸岬」があり、室戸市にある四国八十八カ所霊場の札所寺院には
「石造如意輪観音半跏像」や
「金銅密教法具」が残されています。
県西部には須崎市の「土佐藩砲台跡」や宿毛市の「宿毛貝塚」、四万十市の
「不破八幡宮本殿」などが残され、地域の歴史を今に伝えています。
また、「杉の大スギ」(大豊町)、「カモシカ」(県東部)、「土佐のオナガドリ」(南国市)などが、国の特別天然記念物として指定されています。
無形文化財では、高知の文化を体現する伝統芸能が各地に伝承されており、そのなかでも「土佐の神楽」と
「吉良川の
御田祭」は国の重要無形民俗文化財に指定され、それぞれの保存団体が伝承活動を行っています。
まんが
高知県は、『フクちゃん』の横山隆一氏や『アンパンマン』のやなせたかし氏をはじめとする多くの著名な漫画家を輩出している「まんが王国・土佐」として、まんがを通じた高知県の国内外への情報発信や文化振興、地域活性化、経済発展を目指しています。
毎年夏には、国内外の高校生を対象とした「1枚まんが」の競技大会「全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)」を開催しています。30年以上の開催実績を持つこの大会は、高校生の文化活動支援や交流促進を目的としており、出版社によるスカウト制度も取り入れ、若者の人材育成にも力を入れています。